飲食⑤苦味
『霊枢』五味論では、
「苦は骨に走る、之を多食すれば人をして変嘔(はく・嘔吐)せしむ」
「黄帝曰く
苦は骨に走る
多く之を食らえば人をして変嘔せしむるは何ぞや
少兪曰く
苦、胃に入れば
五穀の気は皆苦に勝つこと能(あた)はず(五穀の苦味以外の気味は苦味の方に抑圧されて、 それぞれの親和性のある臓器に走ることができない)
苦、下脘(げかん)に入れば(苦味のものが下焦即胃の出口に下降すると)
三焦の道皆閉じて通せず(小便を分泌し、大便を排泄する機能が侵されて屎尿(しにょう・
大便と小便)の道が閉塞してしまう)
故に変嘔す(それで逆流して嘔吐を起こす)
歯は骨の終わる所なり
故に苦は入りて骨に走る
故に入りて復出づ、其の骨に走るを知るなり(苦味が歯(口の中)に戻る=口の中が苦いのは 他の臓器に苦味が走らなかった為に臓器では無い骨の末端の歯に来たのである」
など苦味を摂り過ぎた時のことも記されています。
血に熱が加われば血流が悪くなり停滞します。
これを於血といいます。
この時に苦味で陰気を補えば、津液が多くなって血熱がとれ、
血流が盛んになって於血がとれます。
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