疾病の心理的要素
疾病の発生・進行・帰結の過程は心理的要素が重要な役割を果たしています。
心理・生理・病理の統一は重視されています。
「心は神を蔵し、肺は魄を蔵し、肝は魂を蔵し、脾は意を蔵し、腎は志を蔵す」
といい、特に五神・五臓の間の作用・反作用の病理関係を強調しています。
『霊枢』本神編では、
「心気が虚になると悲しみ、実になると笑いが休まない」
「肝気が虚になると恐れ、実になると怒る」
「怒れば氣が上り、喜べば氣が緩み、悲しめば氣が消沈し、恐れれば氣が下り、
寒ければ氣が収斂し、炅(あつ)ければ氣が泄(も)れ、驚けば氣が乱れ、
労す(苦労)れば氣が消沈し、思えば氣が鬱血する」と、形と神の相互関係を説明しています。
『黄帝内経』では、心理治療を重視しています。
五志(喜・怒・思・憂・恐)七情(喜・怒・思・憂・恐・悲・驚)を人の情動といい、
過度になったり長時間続くと精神的なストレスとなり、疾病の内的要因になります。
これに基ずく治療を提唱しています。
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