心理的平衡①
心理は社会的要素・生物的要素・臓腑の病理によって平衡を失います。
心理上の平衡を失うことのほとんどは後天的な要因によるものが多いですが、
生まれつき備わった両極の差異(剛・柔や勇・怯など)によるものもあります。
神志(精神活動)と臓腑において両極の差異が一致することを指摘しています。
臓腑の失調が社会的な要因の干渉も強調しています。
「高貴の地位を経験した後に卑賎となれば、外邪に中(あた)らずといっても病は内から
生じる」これを脱営と曰う。
「富貴を経験した後に貧困となる」これを失精と名付ける。
「精神内傷すれば、身必ず敗亡す」となる。
心理的平衡の回復について「移精変気(精氣を移し変えて精神を強くし内守すること)」
することを言っています。
「精を移し氣を変じ、祝由(祝とはまじないのこと・呪術的療法)すべきのみ」とあり、
暗示による精神療法を用いて心理の失衡状態を正す記述もあります。
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