心理的平衡②
『黄帝内経』は七情五志相制法(七情五志を五行に配当し、
その相剋関係を利用した治療法)を用いて心理の失衡状態を正す、
「怒は肝を傷り、悲は怒に勝る」
「喜は心を傷り、恐は喜に勝る」
「思は脾を傷り、怒は思に勝る」
「憂は肺を傷り、喜は憂に勝る」
「恐は腎を傷り、思は恐に勝る」
など心理上の相勝関係を利用することもあります。
夢も一種の心理・生理における平衡を保つ手段となることもあります。
『黄帝内経』は夢の発生について陰陽の失衡によるものだとして、
「陰が盛んになると夢で大水を渉って恐惧し、陽が盛んになると大火に灼(や)かれる」
とあります。
夢は往々にして心理的な不均衡状態の反映で、
人体は夢を通じて心理と生理の調和を保つと言われます。
「甚だしく飢えれば夢に取り、甚だしく飽(あ)けば夢に予(あた)える」は
このことを示しています。
0コメント