古代中国の医学観①
黄帝内経『素問』著至教論篇第七十五
黄帝、明堂に坐り
雷公を召して之に問うて曰く
子は医の道を知るか
雷公対(こた)えて曰く
誦(しょう・朗読)して頗(いささ・すこぶる)か能く解(事柄を分析して中身を理解すること)す。→医学の本を読んで、文章の表面的には多少理解することができます。
解するも未だ能く別(わか・二つのことを区別すること)たず。
→医学の本を読んで、文章の表面的には多少理解することができます。
理解はするが、深く分析して事象を鑑別できません。
別(わか)つも未だ能く明らか(事態の本質を明確にすること)ならず。
→鑑別をしても、事態の本質を明確にすることができません。
明らむるも未だ能く彰(あきらか・外に向かってハッキリと表現すること)にせず。
→明確にしたことを人の前でわかりやすく説明し、
臨床的に成果を上げるまでには至りません。
以て群僚(同じ仲間の集まりのこと)を治すに足るも
→この様に暗誦・理解・鑑別・明確化・実証という段階を踏んで勉強しているが、
今のところは仲間の治療はできますが、
侯王に至るに足らず。
→身分の高い王侯の治療は任せてもらえる段階ではありません。
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