十二支④
中国古代の字書の爾雅(じが)の歳陽(採用)に十二支の別名があります。
大歳(たいさい・木星の事)、寅(いん)の方向にあるのを摂提格(せっていかく)という。
卯は単閼(せんあつ)と名付ける。単は尽、閼は止で陽気が万物を推して起こり、
陰気がことごとく止まることをいう。
辰は執徐(しつじょ)と名付ける。執は蟄(ちつ)虫などが土に隠れる事をいい、
徐は舒(じょ)のびるで伏蟄の物、みな散舒して出ることをいう。
巳は大荒落(たいこうらく)と名付ける。荒は大なり。万物が盛に大きくなり、
落落(細かいことにこだわらない)に布散することをいう。
午は敦牂(とんそう)と名付ける。ほうき星のことで万物が盛んになることをいう。
未は協洽(きょうこう)と名付ける。協は和、洽は合で陰が変化しようとして、
万物が和合することをいう。
申は涒灘(とんだん)と名付ける。涒灘は大修で万物がみなその精気を修めることをいう。
酉は作顎(さくがく)と名付ける。作顎は零落(草木の枯れ落ちる)で万物みな落ることをいう。
戌は閹茂(えんぼう)と名付ける。掩は蔽(へい)、茂は冐(ぼう)で万物がみな蔽冐(おおいかくされる)ことをいう。
亥は大淵献と名付ける。淵は蔵、献は迎で万物亥に終わり、大小深く蔵窟し、伏して陽気を迎えることをいう。
子は困敦(こんとん)と名付ける。困は混、敦は沌で陽気が混沌として、万物が牙孽(がげつ・芽生える)ことをいう。
丑は赤奮若(せきふんじゃく)と名付ける。奮は起、若は従で陽気が万物を奮迅して起こり、
その性質に従わざるを得ないことをいう。赤は陽気の色。
これらは支干の別名である。
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