31Aug2020菜根譚⑬老来の疾病は、都(すべ)て是れ壮時(そうじ)に招くところのものなり。衰後(すいご)の罪孽(ざいげつ)は、都(すべ)て是れ盛時(せいじ)に作れるところのものなり。故に、盈(えい)を持(たも)ち満(まん)を履むには、君子尤(もっと)も兢々(きょうきょう)たり。老来→老いてから。老人に...
29Aug2020菜根譚⑫爽口(そうこう)の味(あじわい)は、皆(みな)爛腸腐骨(らんちょうふこつ)の薬なるも、五分ならば便(すなわ)ち殃(わざわい)無し。快心(かいしん)の事は、悉(ことごと)く敗身喪徳(はいしんそうとく)の媒(なかだち)なるも、五分ならば便(すなわ)ち悔(く)ゆること無し。爽口(そうこ...
27Aug2020菜根譚⑪文章も極処(きょくしょ)に做(な)し到らば、他の奇(き)有(あ)ること無く、只(ただ)是(こ)れ恰好(かっこう)あるのみ。人品も極処に做し到らば、他の異(い)有ること無く、只是れ本然(ほんぜん)あるのみ。極処(きょくしょ)→極まったところ、最高の境地。做(な)し到らば→やったこと...
25Aug2020菜根譚⑩逆境の中に居(お)らば、周身皆(しゅうしんみな)鍼砭薬石(しんぺんやくせき)にして、節(せつ)を砥(と)ぎ行い磨(みが)くも、順境(じゅんきょう)の内に処(お)らば、満前(まんぜん)尽(ことごと)く兵刃戈矛(へいじんかぼう)にして、膏(こう)を銷(と)かし骨を靡(へ)らすも、而(...
23Aug2020菜根譚⑨念頭起こる処、纔(わず)かに欲路(よくろ)上(じょう)に向って去るを覚らば、便(すなわ)ち挽きて理路(りろ)上(じょう)に従い来たせ。一たび起こらば便(すなわ)ち覚り、一たび覚らば便(すなわ)ち転ず。此れは是れ、禍(わざわい)を転じて福(ふく)と為(な)し、死を起こして生を回(か...
21Aug2020菜根譚⑧泛駕(ほうが)の馬も、馳駆(ちく)に就くべく、躍冶(やくや)の金(きん)も、終に型範(けいはん)に帰す。只一(ただいつ)に優游(ゆうゆう)して振わざれば、更(すなわ)ち終身個の進歩無し。白沙(はくさ)云う、「人と為(な)り多病なるは、未だ羞ずるに足らず。一生病無きは、是れ吾が憂い...
19Aug2020菜根譚⑦苦心の中に、常に心を悦(よろこ)ばしむるの趣(おもむき)を得、得意の時、便(すなわ)ち失意の悲しみ生ず。得意→自分の意図が達成されること。便(すなわ)ち→そのままで、その時その中にすでにの意味。けんめいに苦労している時は、いつも心を喜ばせる様な味わいがあり、反対に、成功して全てが...
17Aug2020菜根譚⑥人の際遇(さいぐう)は、斉(さい)なる有り、斉(さい)ならざる有り。而(しか)して能(よ)く己(おのれ)をして独り斉(さい)ならしめんや。己の情理(じょうり)は、順(じゅん)なる有り、順(じゅん)ならざる有り。而(しか)して能(よ)く人をして皆(みな)順(じゅん)ならしめんや。此...
15Aug2020菜根譚⑤書を読みて聖賢(せいけん)を見ざれば、鉛槧(えんざん)の傭(よう)為(た)り。官に居りて子民(しみん)を愛さざれば、衣冠(いかん)の盗(とう)為(た)り。学(がく)を講(こう)じて躬行(きゅうこう)を尚(とうと)ばざれば、口頭の禅(ぜん)為(た)り。業(ぎょう)を立てて種徳(しゅ...
13Aug2020菜根譚④卑(ひく)きに居(お)りて而(しか)る後に、高きに登るの危(き)為(た)るを知る。晦(くら)きに処(お)りて而る後に、明るきに向かうの太(はなは)だ露(あらう)るるを知る。静(せい)を守りて而る後に、動(どう)を好むの労(ろう)に過(す)ぐるを知る。黙(もく)を養(やしな)いて而...
11Aug2020菜根譚③憂勤(ゆうきん)は是(これ)美徳なるも、太(はなは)だ苦しまば、則ち以て性に適い情を怡(よろこ)ばしむる無し。澹泊(たんぱく)は是れ高風(こうふう)なるも、太(はなは)だ枯(か)るれば、則ち以て人を済(すく)い物を利する無し。憂勤(ゆうきん)→憂慮精勤のこと→思いを巡らし、熱心に...
06Aug2020菜根譚②醲肥辛甘(じょうひしんかん)は真味(しんみ)に非(あら)ず、真味は只(ただ)是(こ)れ淡(たん)なり。神奇卓異(しんきたくい)は̪至人(しじん)非ず、至人は只是れ常(じょう)なり。醲肥辛甘→濃いおいしい味、肥えた肉、舌をさす辛い味、甘い味→濃厚な味付けの料理。淡→しつこくない、あ...